命を見つめるために!
- 3月11日
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更新日:3月30日

ある年から、温泉観光地を巡る旅行を止めにして、『3.11伝承ロード』[注:青森・岩手・宮城・福島の4県 震災遺構施設1~61]を訪ねる旅へ切り替えました。確か、福島第一原発事故により「通行不可」だった「ロッコク(国道6号線)」が走行できるようになったことから、被災地へこころを向けるようになったのでした。
先月訪ねた震災遺構・震災伝承館は、館内を一巡した後、「震災語り部」さんによる講話がありました。ご自身で記録した映像が大型スクリーンに映され、「この地区では69人が亡くなりました。7万本のクロマツと、69本のサクラを植樹しました…」と云う「当時と現在」とに耳を傾けました。この日の「語り部」さん、「私は今日、約3ヶ月ぶりにお話しをしました。スミマセン…、普段はこんなに泣かないんです!」と最後を締めくくられました。
来訪者にとっては、多分「一期一会」、一度切りで終わってしまうに違いないのに、震災語り部さんは、行きずり・通りすがりで深い関係でもない、その場限りの出会いにすぎない「来訪者」に向かって、全身全霊「こころ」を込めて、何度も何度も繰り返された「命のメッセージ」をしっかりと心に刻むことができました。
「心が洗われる!」とはこのことだ!と、満たされた気持ちで震災伝承館を後にしました。
震災遺構を訪ねて「命を見つめる」。その旅先から戻り、待っているのが「認知症状に見舞われた要介護高齢者の皆さん」のお世話。日々の現場で「命を見つめる」ことに心掛けています。
震災遺構を訪ねる旅行のきっかけになったのが、聖書の中の、次のお言葉です。
『宴会に顔を出すより、葬式に列席するほうが良い。
やがて死ぬわけだから、生きているうちに死について考えるのは良いことだ。
悲しみは笑いにまさっている。悲しみは、私たちの心から不純物を取り除く効果があるからだ。
知恵ある者は死についてじっくり考えるが、愚か者はどうしたら今愉快に過ごせるかだけを考える。』 [旧約聖書 コへレトの言葉 7・2、3、4]
(2026.3.11東日本大震災から15年に寄せて 理事長・杉澤 卓巳)


